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大腸ポリープ編

大腸がんと大腸ポリープの関係
大腸にできたイボのようなものを大腸ポリープと呼びます。大腸ポリープは、おおきく『非腫瘍性ポリープ』と『腫瘍性ポリープ』の2つに分けることができます。『非腫瘍性ポリープ』には、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)や感染性腸炎などによる『炎症性ポリープ』と加齢などに伴う『過形成性ポリープ』などがあります。これらのポリープが大腸がんになる可能性はほとんどありません。『腫瘍性ポリープ』には、『腺腫性ポリープ』などの良性腫瘍と『腺腫内腺がん(早期がん)』などの悪性腫瘍があります。『腫瘍性ポリープ』の80~90%は、良性腫瘍です。大腸がんのおおくは腺腫から『腺腫内腺がん』として発生します。数%ですが、『デノボがん』と呼ばれる腺腫から発生しないがんもあります。また、家族性大腸腺腫症(大腸腺腫性ポリポーシス)や遺伝性非ポリポーシス大腸がんなどの遺伝性の大腸がんもあります。

大腸ポリープの3つの切除法
1、ホットバイオプシー(Hot biopsy)
5mm以下の小さいポリープを高周波電流の流れる生検鉗子で摘みとります。
2、ポリープ切除術(Polypectomy)
首のあるポリープ(有茎性ポリープ)を高周波の流れるループ状のワイヤー(スネア)で
縛り切除します。
3、粘膜切除術(EMR/Endoscopic mucosal resection)
2cm以下の首のないポリープ(無茎性ポリープ)をポリープの下の粘膜下層に注射針で
生理食塩水などを注入して浮かせたうえで、スネアで縛り切除します。

いずれの切除法でも、治療後に約2000人に1人の穿孔(腸に穴があくこと)・約1000人に1人の出血などの合併症のリスクがあります。ポリープのサイズが大きいものほど、合併症のリスクは高くなります。また、一部の施設では、2cm以上の無茎性ポリープに対しても、粘膜下層剥離術(ESD/Endoscopic submucosal dissection)と言う切除法も行われています。

おおくの大腸がんは腺腫から発生します。また、2cm以下の腺腫であれば、ホットバイオプシー・ポリープ切除術・粘膜切除術で切除可能です。そうなるとデノボがん以外のほとんどの大腸がんは定期的大腸内視鏡検査で予防できますね。